室内練習がしたい方必見!100g未満のおすすめドローン
ドローンの操縦技術を向上させたい場合、天候に影響されずにいつでも行える室内練習が効果的です。
特に100g程度の小型ドローンは手軽に始められて初心者にとって良い選択肢となります。
この記事では、室内練習に適した小型ドローンの利点や選び方、注意点について解説し、おすすめのモデルも紹介します。
なぜ室内練習には小型ドローンが最適なのか?
小型ドローンの明確な定義はありませんが、「手のひらサイズの大きさ」で「機体本体とバッテリーの合計重量が100グラム前後」のドローンを指すことが多いです。
一般的に「トイドローン」や「ミニドローン」とも呼ばれます。
小型ドローンのメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
①航空法の規制対象外
②物理的な安全性
③低価格ゆえの導入のしやすさ
これらの3点について詳しく解説していきます。
①航空法の規制対象外だから許可・申請、登録なしで始められる
2022年6月に改正された航空法により、重量100g以上の無人航空機は機体の登録が義務付けられましたが、100g未満のドローンはこの規制の対象外です。
そのため、重量100g未満の小型ドローンは機体登録の義務がなく、特定飛行における国土交通省への許可や申請も原則として不要になります。
ドローン操縦に関する免許や国家資格がなしても、購入後すぐに飛行させることが可能です。
この手軽さが、ドローン操縦を始める際のハードルを大きく下げています。
ただし、航空法以外の法律、例えば「小型無人機等飛行禁止法」などの規制は適用されるため、完全に自由というわけではありません。
器物の破損や人への傷害などは重量関係なく責任が発生するため、注意を払わなければなりません。
②コンパクトで軽量!家の中でも安全に飛ばしやすい
小型ドローンは、その名の通り99gや50gといった非常に軽量なモデルがほとんどです。
手のひらに乗るほどのコンパクトなサイズで、アーム部分を折りたたみ可能なタイプも多く、収納や持ち運びに便利です。
小型であるため、屋内の限られた空間でも飛行させることができます。
プロペラガードが付属しているモデルを選べば、さらに安全性を高めることができ、安心して室内での練習に集中できます。
③手頃な価格帯が多く、初めての1台にぴったり
小型ドローンは、数千円から1万円台という比較的安い値段で購入できるモデルが豊富に揃っています。
高性能な空撮用ドローンの価格帯が数万~数十万円であることと比較すると、非常に手頃な価格帯です。
このため、ドローン操縦に興味がある初心者が「まずはお試しで始めてみたい」という場合に最適といえます。
高価な機体だと墜落や破損による経済的なダメージが気になり、思い切った操作をためらってしまいがちですが、安価なモデルであれば、万が一壊してしまっても精神的な負担が少なく、積極的に操縦練習に取り組むことが可能です。
小型ドローン購入前に知っておきたい注意点
手軽に始められる小型のドローンですが、購入前にはいくつかの注意点を理解しておくことが重要です。
特に、屋外での飛行性能やバッテリーの持続時間、カメラの性能といった面では、大型のドローンと比較して劣る部分があります。
以下に注意点を解説していきます。
風に流されやすいため屋外での飛行には不向き
100g未満のドローンは室内で手軽に飛ばせる一方で、屋外での飛行においては耐久性に難があります。
機体が軽すぎるため、少しの風でも簡単に流されてしまい、安定した状態を維持することが非常に困難です。
意図しない方向に飛ばされて紛失したり、人や物に衝突したりする危険性が高まるため、屋外での使用は基本的に推奨されません。
また、通信可能な飛行距離は30m程度と長くはありません。
加えて、モーターの駆動音は比較的小さいため、屋外では風の音にかき消されて機体の位置を把握しづらくなる一因となります。
バッテリーの持ちが短く、飛行時間が限られる
小型ドローンは機体のサイズが小さいため、搭載できるバッテリーも小型で軽量なものに限られます。
その結果、1回の充電で飛行できる時間は5分から10分程度と、非常に短いモデルがほとんどです。
長時間の連続飛行はできないため、じっくりと操縦練習をしたい場合には物足りなさを感じる可能性があります。
長時間の飛行練習を行うためには、本体だけでなく予備バッテリーも複数購入することが推奨されます。
高性能なカメラ撮影にはあまり向いていない
多くの100g未満ドローンにはカメラが搭載されており、空からの映像を楽しむことができます。
しかし、価格や重量を抑えるため、その性能は限定的であることが大半です。
画質は低く、手ブレ補正機能も搭載されていないモデルが多いため、本格的な空撮用の機体のような滑らかで高画質な映像撮影は期待できません。
4Kなどの高性能カメラを搭載する小型ドローンもありますが、撮影を主目的とする場合は、100g以上のより大型なドローンを選ぶことが推奨されます。
小型ドローンのカメラは、あくまで操縦の補助や簡単な撮影向けと考えるのが適切です。
失敗しない!室内練習用小型ドローンの選び方4つのポイント
市場には様々なメーカーから多種多様な小型ドローンが販売されており、どれを選べば良いか迷うかもしれません。
人気のランキングや価格だけで選ぶのではなく、自身の目的やスキルレベルに合った機体を見つけることが重要です。
ここでは、室内練習用のドローンを選ぶ際に特に注目すべき「安全性」「操縦のしやすさ」「飛行時間」「付加機能」という4つのポイントについて解説します。
【安全性】プロペラガード付きなら壁や家具を傷つけにくい
室内でドローンを飛ばす上で最も優先すべきは安全性です。
特に初心者のうちは操縦ミスによる衝突が避けられません。
プロペラがむき出しの状態だと、壁や家具に傷をつけたり、カーテンに絡まったりする危険があります。
人やペットに当たれば怪我の原因にもなりかねません。
そのため、プロペラを物理的に保護する「プロペラガード」が付属、または一体型になっているモデルを選びましょう。
おもちゃやラジコンの感覚で始める場合でも、この安全装備は必須です。
万が一の衝突時に、人や物へのダメージを最小限に抑えてくれます。
多くの小型ドローンはプロペラガードが付属、または一体になっていますが、プロペラガードが無いモデルがあれば操作は慎重に操作を行う必要があります。
【操縦のしやすさ】自動ホバリング機能があると初心者でも安心
ドローン操縦の難しさの一つに、高度の維持があります。
特に初心者にとっては、機体を一定の高さに留めておくだけでも一苦労です。
そこで重要になるのが、気圧センサーなどによって機体の高度を自動で維持してくれる「自動ホバリング機能」です。
この機能があれば、高度維持の操作から解放され、前後左右の水平移動や旋回といった操縦に集中できます。
また、ボタン一つで離着陸できる機能や、速度を段階的に変更できる機能も、操縦の難易度を下げてくれます。
安定した飛行性能は、上達への近道であり、練習のモチベーション維持にもつながります。
【飛行時間】予備バッテリーの有無で練習時間が変わる
前述の通り、トイドローンの飛行時間は5分から10分程度と短いのが一般的です。
1つのバッテリーだけでは、操縦に慣れてきた頃に充電切れとなり、練習が中断されてしまいます。
その上、バッテリーの充電にかかる時間は30~40分と長いため、練習時間にブランクができてしまいます。
集中して練習時間を確保するためには、予備バッテリーの存在が不可欠です。
製品によっては、購入時に予備バッテリーが2〜3個同梱されているセットも販売されています。
バッテリーを交換すればすぐに飛行を再開できるため、練習効率が格段に向上します。
機体の性能だけでなく、バッテリーが何個付属しているか、追加購入が可能かも確認しましょう。
【付加機能】カメラ付きなら空撮の練習もできる
操縦練習に加えて、空撮にも興味があるならカメラ付きのモデルを選びましょう。
小型ドローンは本格的な撮影用には向きませんが、ドローンからの視点(FPV)で操縦する感覚を養ったり、基本的なカメラワークを練習したりするには十分です。
スマートフォンと連携してリアルタイムで映像を確認できるモデルなら、どのように動かせばどのような映像が撮れるのかを直感的に学べます。
将来的に大型の空撮ドローンを飛ばしたいと考えている場合、カメラ付き小型ドローンでの練習は構図やアングルを意識した操縦スキルを身につけるための良い第一歩となります。
【目的別】室内練習に最適!おすすめの小型ドローン5選
ここからは、これまで解説した選び方のポイントを踏まえ、室内練習に最適な100g未満のおすすめドローンを目的別に5つ紹介します。
中国の世界最大手ドローンメーカーDJIの技術が活かされた定番モデル「Tello」シリーズをはじめ、手軽に購入できるコストパフォーマンスに優れたモデルまで、様々なニーズに応える機体をピックアップしました。
これらの機体は日本でもAmazonなどで手軽に購入できますので、ぜひ探してみてください。
【コスパ重視】安く手軽にドローン操縦を始めたい方向けモデル(Holy stone HS210)

とにかく費用を抑えてドローンの操縦を体験してみたい方には、数千円で購入できるエントリーモデルが適しています。
もし破損してしまっても経済的なダメージが少なく、ドローン操縦の入門機としてうってつけです。
おすすめの機体としては、Holy stone製の「HS210」があります。
定価が5,445円(税込)と、6,000円程度で購入ができて、ホバリング機能やプロペラガードといった、初心者の方でも安全に飛行させることができる機能が搭載されています。
低価格帯の小型ドローンはカメラが搭載されていないモデルも多く、カメラ無しの機体でできることはスティックの操縦練習のみに留まります。
それでも、基本的な前後左右の操作を覚えるには十分な性能を持っているため、ドローンの練習はじめはリーズナブルな機体を検討しても良いでしょう。
参照元:» https://x.gd/G8PyD ![]()
【安定性抜群】プログラミングも学べる定番の人気モデル(DJI Tello)

安定した飛行性能と多機能性を求めるなら、DJIの飛行制御技術とIntelのプロセッサーを搭載したRyzeTech社の「Tello」が定番モデルとして挙げられます。
非常に優れたホバリング性能を持ち、初心者でも驚くほど簡単に安定した飛行が可能です。
専用アプリを使えば、Scratchベースのビジュアルプログラミングでドローンを自動飛行させることもでき、子供のプログラミング教育用としても注目されています。
価格は13,000円ほどで、メーカー生産は終了となっていますが、2025年12月現在も各種ネットショップで購入ができます。
参照元:» https://store.dji.com/jp/product/tello ![]()
【FPV体験】リアルタイム映像を見ながら練習できるカメラ付きモデル(G-FORCE LEGGERO FPV)

ドローンからの視点で、まるで鳥になったかのような没入感ある操縦を体験したい方には、FPV(FirstPersonView)機能が充実したカメラ付きモデルがおすすめです。
スマートフォンや専用のゴーグルにドローンのカメラ映像をリアルタイムで転送し、その映像を見ながら操縦します。
おすすめの機体としては、G-FORCE製の「LEGGERO FPV」があります。
ドローンとFPVゴーグルがセットになったモデルで、価格は14,520円(税込)です。
一般的なドローンとFPVゴーグルをセットで購入すると8万円近くすることを鑑みると、大変リーズナブルにFPVの練習ができる機体であると言えます。
機体本体は折り畳みもできるので、コンパクトに持ち運ぶことができます。
目視での操縦とは異なる感覚を養うことができ、ドローンレースや本格的な空撮に向けた実践的な練習が可能です。
参照元:» https://www.gforce-hobby.jp/products/GB075.html ![]()
【親子で楽しむ】子供でも安全に扱える簡単操作モデル(G-FORCE LACIERO)

子供と一緒にドローンを楽しみたい場合は、安全性を最優先に設計されたモデルを選びましょう。
プロペラ全体がガードで覆われているデザインの機体などが適しています。
おすすめの機体としては、G-FORCE製の「LACIERO」があります。
機体全体がプロペラガードで覆われた設計となっているため、回転するプロペラから人や物を守る設計になっています。
定価は19,580円(税込)と少々高額ですが、姿勢を自動制御する安全性能に加えて高性能の4Kカメラも搭載されているため、ホームビデオの撮影なども可能となっています。
安全性に加えて機能が多く搭載されたドローンを使用することで、親子でコミュニケーションを取りながら、子供の空間認識能力や撮影技術を育むこともできます。
参照元:» https://www.gforce-hobby.jp/products/GB040.html ![]()
100g未満でも要確認!ドローンを飛ばす前に知っておくべきルール
100g未満の小型ドローンは航空法における機体登録の対象外ですが、どこでも自由に飛ばせるわけではありません。
ドローンの飛行には、航空法以外にも遵守すべき法律や条例が存在します。
安全に楽しむためには、どのようなルールがあり、どこが飛ばせる場所なのかを事前に確認することが不可欠です。
知らなかったでは済まされないトラブルを避けるため、基本的なルールを理解しておきましょう。
小型ドローンは風に弱い機体が多いため、屋外での飛行は破損・紛失のリスクが高くなる点にも注意が必要です。
「小型無人機等飛行禁止法」の対象エリアではないか確認しよう

ドローンを飛行させる上でまず確認すべきなのが、「小型無人機等飛行禁止法」です。
この法律は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所といった国の重要施設や、対象の防衛関係施設、空港などの周辺地域(おおむね施設から1㎞の範囲)におけるドローンの飛行を原則として禁止するものです。
この法律の規制は、機体の重量に関わらず適用されるため、100g未満の小型無人機も対象となります。
飛行させる前には、必ず国土地理院のウェブサイトなどで、飛行予定地が対象施設周辺地域に含まれていないかを確認する必要があります。
参照元:» https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/index.html ![]()
自治体の条例でドローンの飛行が制限されている場合もある
国の法律に加えて、各地方自治体が定める条例にも注意が必要です。
多くの自治体では、住民の安全やプライバシー保護、施設の管理といった観点から、条例によって公園や公共施設でのドローン飛行を制限しています。
都市公園内でのドローン飛行を全面的に禁止している場合があり、事前に管理事務所への申請・許可が必要な場合があります。
ルールは自治体によって異なるため、「公園なら大丈夫だろう」と安易に判断するのは危険です。
飛行させたい場所を管轄する市区町村のホームページを確認するか、管理事務所へ直接問い合わせてルールを確認することが重要です。
公園や他人の敷地内では管理者の許可を必ず取ること
法律や条例で明確に禁止されていない場所であっても、その土地の所有者や管理者の許可なくドローンを飛ばすことはできません。
例えば、多くの人が利用する河川敷や海岸、また友人宅の庭のような私有地であっても、管理権を持つ人がいる場合、管理者の許可が必要です。
無許可での飛行は、土地所有権の侵害やプライバシー侵害とみなされ、トラブルの原因となります。
特にカメラ付きドローンの場合は、意図せず他人の家などを撮影してしまう可能性もありますので、十分に注意を払う必要があります。
小型ドローンの室内練習に関するよくある質問
ここでは、小型ドローンを室内で練習するにあたって、多くの方が抱く疑問点についてQ&A形式で回答します。
No.1
- プロポ(送信機)がなくてもスマホだけで操縦できますか?
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一部の小型ドローンはスマートフォンアプリでの操縦に対応しており、プロポ(送信機)がなくても飛行させることが可能です。
専用アプリをインストールしたスマホの画面に表示されるバーチャルスティックを指で操作したり、スマホ本体の傾きで直感的に操縦したりする機能を備えたモデルもあります。
手軽に始められる一方で、物理的なスティックがないため、細かな操作感はプロポに劣る場合があります。
より精密な操縦技術を習得したい場合は、別途プロポが用意されているモデルを選ぶと良いでしょう。
参照元:» https://www.gforce-hobby.jp/products/GB370.html
No.2
- バッテリーを長持ちさせるコツはありますか?
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バッテリーの性能自体を変えることはできませんが、使い方を工夫することで寿命を延ばし、飛行時間を最大限活用することが可能です。
まず、保管する際は満充電や完全放電の状態を避け、50%程度の充電量で保管するのが理想的です。
また、飛行中は急加速や急旋回など、モーターに大きな負荷がかかる操作を控えることで、電力消費を抑えられます。
複数のバッテリーを持っている場合は、一つだけを酷使するのではなく、順番にローテーションで活用し、それぞれの負担を均等にすることもバッテリーを長持ちさせる上で効果的です。
No.2
- もしドローンが壊れてしまったら修理は可能ですか?
-
修理の可否は、製品の価格帯やメーカーのサポート体制によって異なります。
数千円程度の安価なモデルの場合、修理費用が新規購入価格を上回ることが多く、修理サービス自体が提供されていないケースがほとんどです。
一方で、「Tello」のような人気モデルは、メーカーや正規代理店による修理サポートが提供されています。
また、プロペラやガードといった破損しやすい部品は、交換パーツとして単体で販売されていることが多いので、自分で交換することも可能です。
購入前に修理や部品入手の可否を確認しておくと、万が一の際も安心です。
レンタル品ではないため、自己責任での管理が基本となります。
まとめ
小型ドローンは手軽に購入できるため、室内での操縦練習に非常に適しています。
選ぶ際には、プロペラガードなどの安全性、自動ホバリング機能といった操縦のしやすさ、予備バッテリーの有無などを確認することが重要です。
一方で、航空法の対象外であっても、小型無人機等飛行禁止法や自治体の条例など、遵守すべきルールは存在します。
安全にドローンを楽しむためには、事前のルール確認と、飛行前の機体の状態点検を怠らないようにすることが求められます。
この記事を書いた人

講師・ドローンパイロット
上野
筆者プロフィール
2021年7月に前部署より秋葉原ドローンスクールの部署へ、
その後2021年8月よりJUIDA公認講師して活動中。
インドアなので夏の日差しにも、冬の寒さにも弱い。
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